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【気になるタレント 2014 その7】『橋本愛』

橋本愛(はしもとあい)

Aihashimoto01
色々すごい女優だと思う。
座右の銘は
「死ぬ気でやれ、死なないから」
らしいが、演技の瞬発力を見るとまぁ納得は出来る。
(ちなみに全く個人的な考えで申し訳ないけど、仕事を死ぬ気でやって亡くなった同僚がいるし、世間ではブラック企業で過労死も問題になってるから出来ればその座右の銘は心の中にそっとしまって公言はしないでもらいたい。でもまぁこれは彼女が14歳くらいの頃の発言らしいので中二病的思考だったんだろうけど。)

さて自分は橋本愛については世間の高評価とは違う感想を持っていて、簡単にいえば彼女は世間の「橋本愛像」を自身で演じているという印象。悪い意味で「女性版キムタク」という存在でどのドラマを見ても同じような芝居という感想。ただ、細かく見ていけば多少違う印象があるのは確かなので、いくつかの映画やドラマの感想を書いていきたいと思う。

■docomoのCM
最初に彼女を意識したのはdocomoのCMだ。
クールで淡々とした人なんだな、という第一印象。この印象はサントリーBOSSのCMでも同じ。このCMの印象が自分の感じる橋本愛のイメージを固定してしまった。CM制作サイドも彼女のこの様なイメージを前面に出そうと思って意識的にキャスティングしてると思われるが、それが本来の彼女の姿だったんだろうか。

あまちゃん(NHK:2013年)
女優としてちゃんとした芝居を見たのはこのあまちゃんが最初だ。ドラマ序盤はアイドルを目指す可愛くて明るい高校生の役を演じていたが、いかにも「演じています」感があって、全体的にラップのような薄い膜に覆われたリアルなんだけどダイレクトに伝わらない芝居、吹っ切れてない抑え気味の芝居だと感じた。なぜ橋本愛がキャスティングされたのかは、ドラマ後半でのキャラである「ちょっと捻くれて影が有り、反抗し、全てを冷めた目で見る少女」という役柄がまさに世間の「橋本愛像」だったからではないだろうか。

しかしこれもおそらく本来の橋本愛の姿ではないのだろう。芝居に無理があった。そう、彼女は自分とずれた役を上手く演じられない。きっと不器用なのだ。この芝居の違和感は最終回寸前まで続く。

驚くのは最終回だ。この最終回だけ演技がズバ抜けて良かった。この最終回の感情の爆発を表現をするために、百数十回にも及ぶそれ以前の芝居を抑え気味にしていたのではないかと思うほど吹っ切れていた。これが橋本愛の計算だとするととんでもなくすごい女優だ。

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その後、彼女に興味が出て過去の映画作品などを観てみた。

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■桐島、部活やめるってよ(映画:2012年)
この映画は色々考えることが出来て興味深い映画だった。一切画面に姿を出さない「桐島」を中心に出演者全員が主役みたいな面白い構成。橋本愛はそんな中の一人を演じていて。一見普通の女子高生だけど、実は秘密があったりダークサイドがあったりする役。まぁ、他の作品でよくある最初からダークでクールな役というより普通っぽい役だった(後半は変わっちゃうけど)ので、割とすんなり受け入れられた。
それはそうと、この映画は松岡茉優の熱演だけでも観る価値があります。彼女の演技力はすごい。

■アバター(映画:2011年)
まず映画のどうでもいい情報として、仮面ライダーフォーゼ放映前の映画ではあるがそのメンバー(坂田梨香子清水富美加)が揃ってる。あまちゃんこと能年玲奈も出てる。
映画の大まかなストーリーは、大人しい主人公のいじめられっ子(橋本愛)が次第にダークサイドへ落ちていくというもの。

橋本愛は、親や親しい仲では元気に話し、不良の前では自分を抑え「ささやくような声」で話すというような演技をして落差を表現している。しかし、この「ささやき声」が相変わらず力なさ過ぎて何を言ってるか聞き取れない。

橋本愛の芝居をよく見る人は同様に感じてるかもしれないが、このウィスパーボイスが腹から声が出ていなくて……まぁウィスパーなんだから実生活ではそれでいいのかもしれないが、芝居であることを考えるともっとちゃんと発声して欲しい。あとこういった日常の演技(セリフ)が平坦すぎて、一歩間違うと「棒演技」と評価される。

映画中盤、あこがれの男性にメッセージするときの表情は非常にキュートで良い。こんな表情も出来るんだな、と。もっとこの表情を普段から出すとファンが増えそう。

映画後半、心の影の部分の表現、黒い部分、怒りの表現は上手い。彼女は他の映画ではこういう激高する部分は声が単に大きくなるだけだったりするんだけど、この映画では上手く表現できてると思う。ただ、合間にある喜びの表現は胡散臭いし吹っ切れもなく中途半端で芝居感が強くて不自然。「あまちゃん」でもこの辺でずっと違和感を感じていたし、出演者の中で唯一浮いていた。すぐ上にも書いたけど「平坦な棒演技」に感じてしまう。

まぁそうは言っても、この映画のように美少女なのにダークサイドや影のあるという役にはバッチリ合うし制作側もそれを期待してキャスティングしているのだろう。まさにこれが世間の「橋本愛像」である。というよりこのイメージしか無い、というのが橋本愛のイメージをキムタク的に悪く固定してしまってる。

■ハードナッツ!(NHK-BS:2013年、地上波2014年)
あまちゃん終了直後のドラマである。他の映画やドラマとは全く違う能天気なキャラを演じている。そういう設定を要求されたからあの妙なノリの芝居なんだろうけど無理してるようにしか見えない。あまりにもミラクルなキャラクター過ぎてドラマの中で浮きまくってる。なんでこんな演技、演出なんだろうか。
ドラマ自体はまぁまぁ面白いんだけど、橋本愛が浮きすぎていて気になってしょうがない。もうちょっと抑えめのキャラ設定だと馴染んで良かったと思う。事実、最終回だけは若干シリアスな内容で、演技も抑えめで結構良かった。まぁそれでもまだ違和感があったけど……。このドラマで少し違う橋本愛を演じようと本人も頑張ったのかもしれないが、最後に残ったのは違和感だけだった。ホントに「橋本愛像」の転換は難しい。

■アナザー(映画:2012年)
サスペンスホラー。また映画のどうでもいい情報として、個人的に気になっている秋月三佳も出てる。
で、肝心の橋本愛は収録の時期の問題なのかちょっと幼く感じる。そのせいか(芝居になれてないせいか)演技がいつも以上に平坦。そういう演技指導なのかな?

■BUNGO~ささやかな欲望~告白する紳士たち(映画:2012年)
またまた映画のどうでもいい情報として自分が好きな黒木華も出てる。

映画は3つのショートストーリーからなるオムニバス形式。
橋本愛は最初のエピソード「鮨」に出演。橋本愛は寿司屋の少女役。両親がいない(?)ちょっと複雑そうな役だけど、基本的には特に激高するわけでも無く、暗く落ち込むわけでもない普通の少女を演じていてる。この少女役は良い。ホントに自然に演技してる。まぁいつも通り通常の会話が若干、力無く平坦過ぎる感じもあるけど、今までの「橋本愛像」とは少し違う路線で、それでいて無理ない自然な演技。映画の淡々としたストーリーにも合っていてとても良いと思う。本来の橋本愛はこういう人なんじゃないだろうか。こういう役をどんどんやって欲しい。

ちなみにこの「鮨」は基本ハンドカメラで撮影されてるが、カメラワークが酷い。わざと大きく手ブレさせている。手振れというのは起こさないように努力する中で仕方なく微妙に揺れてしまうから人間らしい味が出るのであって、わざとグラグラ揺らすのに何の意味があるのだろう。ホントに酷いカメラワークだった。

あと橋本愛のエピソードじゃないけど「握った手」と「幸せの彼方」の2つのエピソードも良かった。特に「幸せの彼方」は波瑠の演技には引き込まれた。全体的に3エピソードどれも落ち着いていて湿度のあるいい映画だった。

■HOME 愛しの座敷わらし(映画:2012年)
映画は普通のハッピーエンド系ドラマ。タイトルから想像されるように座敷わらしの存在を通して家族愛を再認識するというドラマ。映画じゃなくてTVのスペシャルドラマとして放送するような感じ。映画館で観るほどではない。

橋本愛は、最初ちょっと暗めの冷めた、それでいて時々キレる中学生役で登場したので「またいつもの橋本愛か」と思った。徐々に明るく落ち着いた性格へと変わり、ごく普通の少女役へとなっていったので後半はさほど気にならなかった。これを観て感じたけど、いつもは「橋本愛像」通りの暗めの役をやりがちだけど、こういった普通の少女役がいいと思う。
暗すぎでもなく、上に書いた「ハードナッツ!」みたいに変にテンションが高いわけでもない普通の役。個人の感想だけど、橋本愛は「普通の少女」が合っている。

■さよならドビュッシー(映画:2013年)
橋本愛は火事で大やけどを負い身体が不自由になりながらもピアニストを目指す役。出ている役者みんなが結構役に入り込んだ演技で引きつけるものがある。

橋本愛も普通の女子高生から不自由な身体になってしまったあとの演技、その後の気持ちの変化がとても自然でよく演じられている。いつもの「息継ぎからの速攻セリフ」や「声が大きくなるだけの激高演技」は無く、ホントに良い芝居。

「息継ぎからの速攻セリフ」っていうのは橋本愛をよく見てる人なら気付いていると思うけど、彼女の演技でよく見かける技法。セリフとセリフの間に口で大きく息を吸い、間髪を入れずにセリフを続ける演技。彼女はよくやりますよね?感情が高ぶってる様子の表現かと思うんですが、元々平坦なしゃべりでそれをやられても単に「落ち着きの無い人」にしか感じられず、しかも彼女はそれを多用するので「またその芝居?」って思っちゃう。ま、それがこの映画では無かったと。

そういうことで、この映画自体すごくいい。
冷静に考えれば最初の「顔復元手術」という脚本の時点でミラクルな話で、昔で言えば大映ドラマっぽいストーリーなんだけど、そういったことを感じさせないほどセリフ一つ一つが深くて説得力がある。特にピアノをレッスンするシーンなどの清塚信也のピアノ演奏や芝居、セリフは心打たれるものがあった。
橋本愛も自分が観た作品の中では一番良い演技をしてると思う。でもピアノはちゃんと弾いてないよね?弾いてない感がバリバリでそこはちょっと残念だった。カット割りでもうちょっと上手く誤魔化せたと思うんだけど。

■若者たち2014(フジテレビ系:2014年)
ドラマ自体が酷い作りなので2話の途中までしか観てないけど、橋本愛の役がいつも通り「ダークな橋本愛」だったので「もういいや」って感じ。

■俺はまだ本気出してないだけ(映画:2013年)
途中、風俗のバイトを始めてしまうシーンが一瞬あるけど、基本的には性格の良い女子高生役で、今後、彼女に多くやって欲しい方向性の役だった。父を気遣うセリフが自然で気持ちよく耳に入ってくるのが特に良い。映画自体は監督が「HK/変態仮面」「勇者ヨシヒコ」「アオイホノオ」でおなじみ福田雄一なので超漫画的。出演者もいつもの山田孝之、濱田岳、ムロツヨシ、佐藤二朗などで「あぁまたか」といった感想。まぁ好きだけどw。

リトル・フォレスト (映画:2014年)
2014年8月からいくつかに分けて公開(4部作?)。
これを書いてる時点では公開してないし観てないけど、予告や完成記者会見の様子をみると、自然な少女を演じているっぽくて期待できる。ロードムービー的?松岡茉優も出ているので良い映画感でいっぱいだ。

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■ということでこれまでの「橋本愛」をまとめると……
上にも書いたけど、癖なのか演技指導なのか、「息継ぎからの速攻セリフ」(セリフの途中に大きく息継ぎしつつ間髪を入れずに続きをしゃべる)っていう演技がやたら多いと感じる。そして激高の仕方も一辺倒で大きな声になってるだけ。(キムタクの「ちょっ、待てよっ!」みたいなノリ)
全体的な演技の引き出し、パターンが少ないというイメージ。

なので激高シーン無しの普通の等身大の少女役をやれば無理してる感も無く大変良く感じる。例えば自分が観た中では「HOME」「BUNGO」「さよならドビュッシー」の少女役だ。これらから感じたのはロードムービーや小林聡美が得意とする「かもめ食堂」的な淡々とした日常を描いたものをやるととても良いんじゃないだろうか。
ただ、これが良いとはいってもまたこの決まった枠の「別の少女像」になってしまうのはもったいない女優だと思う。彼女はきっと世間の名女優という評価に反して不器用なんだと思う。それで違和感のある演技が多いんだろう。

それに加えて橋本愛自身が考えている自分のあるべき姿、これが今は世間の「橋本愛像」にほぼ重なると思うけど、その「橋本愛像」を演じなくちゃいけないと思い込んでるんじゃないだろうか。自分で枠をはめている状態。演技を離れた映画の舞台挨拶の姿も「橋本愛像」のまんまなのがそれを物語ってる。日常生活すらも自分で枠を決めて演じているという悪い状況。これもキムタク的である。

まだ若いので今は固定のイメージにとらわれず、器用になんでも演じられるようにしていく時期だろう。そうして橋本愛自身が思う「橋本愛像」、そして世間の「橋本愛像」を打ち破って欲しい。

ま、そんな感じ。

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